以前ひろせ通信で書かせて頂いた「日本でいちばん大切にしたい会社」(法政大学大学院教授坂本光司著)で真っ先に紹介されているのが、日本理化学工業株式会社という会社です。
昭和12年に設立されたこの会社は、ダストレスチョ-クを製造しており、50年ほど前から障害者の雇用を行っています。神奈川県川崎市と北海道美唄市に工場があり、現在74名の従業員を雇用。その内54名が障害者の方だそうです。
この会社の大山社長の講演を聞く機会がありました。著者の坂本教授の講演を3度聞いていたので、「どんな社長なんだろう」という思いで講演を聞かせて頂いた。
障害をもつ二人の少女を採用してほしいと依頼されてきたことから始まります。この養護学校の先生の2回の申し出を断り、3回目に頭を地面にこすり付けて「職業体験だけでも」とお願いされ、1週間2人の障害をもつ少女を預かったそうです。
会社は朝の8時から夕方17時まで。しかし、二人は毎朝7時に会社の玄関に来ていたそうです。そして、1週間が過ぎようとしていた時、10数人の社員全員が次のように大山社長に嘆願したそうです。「二人を正社員として採用してほしい。あの二人にできないことがあるなら私たちがカバ-します。」これが社員全員の総意だと言ったそうです。
社員全員にこう言わせるほど二人の少女は一生懸命働いたそうです。10時、お昼、15時に休みがあるのですが、仕事に没頭していて手を休めようとしなかったそうです。社員が背中を叩いて「休みだよ」というまで一心不乱に働いていたのですが、その顔は本当に幸せそうだったようです。
結果二人は採用され、その後この会社は現在の54名という障害者雇用をされています。
大山社長が、この二人の幸せについて想いをめぐらしていた時、あるお坊さんから人の幸せについて教えられた言葉が、
「幸せとは
①人に愛されること ②人にほめられること ③人の役にたつこと ④人に必要とされること
そのうち②③④は働くことによって幸せを得られます。」
大山社長は①も働くことで幸せを得られると会社案内で書かれています。
この会社は、障害者雇用を積極的に行っていく過程で、マスコミに取り上げられ、それを知った行政や大学・企業からいろんな手助けを受けて新商品が生まれ、さらに企業も発展していくというすばらしい「大切にしたい会社」になっています。
大山社長は、人柄が顔ににじみでているような温厚な方でした。社長もまた、働くということで「幸せ」を得られているのだと感じました。
「働くことによって人間は幸せを得られる。」ほめられ、役に立ち、必要とされる。企業や経営者・従業員の誰もが同じなんだと思います。
この1年、働く場所があることに感謝し、「一心不乱」に事務所の経営理念に基づき働こう。
働くことの原点を教えて頂いた講演でした。
1 件のコメント:
花山様
偶然、TVでこの会社が紹介されているのを見ました。私もこんな会社が日本にあるのか。まだまだ日本も捨てたものじゃないと感動をしました。“人の幸せ”もその通りだと思いTVを見ながら忘れないように復唱しました。
会社も素晴らしいけれど、この二人の障害者も働くことに対して純粋な気持ちで一生懸命働いたから“人の幸せ”を得られたのだと思います。双方が素晴らしいのだと思います。
景気、雇用が取り沙汰されている今日、仕事場があることはありがたいことです。
ブログを拝見して、またTVで見たときの感動を思い出し、私も「一心不乱」に明日から頑張ります。(あっ明日は休日でした^_^;)
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